労働者からの労働トラブル相談を受ける回数が増えるにつれ、複雑なトラブルについては労働局のあっせん制度よりも労働審判の方が迅速かつ即効性があるように思えてきた。
その理由として、
1.本訴の場合は膨大な期間を覚悟しなければならないのに対し、労働審判は3ヶ月かつ3回の審理で終わること。
2.労働審判で下された審判は、判決と同様の意味合いをもつこと。本訴に至った場合でも審判の結果が最大限生かされるようになっている。
3.審判の結果に異議申し立てをした場合でも、審判自体は無効となるが、同時に本訴に至ったと擬制されること。つまり、労働審判の申立書がそのまま訴状となり、同一の地方裁判所で裁判となるので、再度改めて提訴する手間がかからない。
4.労働審判官は裁判官がその任につくこと。
5.職場復帰を希望しない場合でも、和解金で解決する道を探るのにふさわしいこと。
6.あっせんと比べて労働審判の場は出席しない場合は罰則(5万円)があること。また相手方不在のままで審判をすすめることができる。
労働審判法の条文を読むと本人の代理ができるのは弁護士以外では社労士や司法書士を視野に入れていると推測されるが、現実には現時点では弁護士しか代理権を付与していない。
最近の弁護士の中には、一括で(つまり、たとえば着手金30万円のみ)で受ける人も出ていると聞く。
弁護士に代理してもらえば本人が必ずしも審判に出席する必要はない。
本訴に至った場合の心理的経済的負担を考えると、労働審判制度は普及していくと見たほうがいいだろう。
社労士は労働審判の代理権獲得を将来に見据えて、研鑽をしていく価値があるようだ。
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